人の心を種として
- 作者: 窪田章一郎
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 1973/01/30
- メディア: 文庫
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しかし,曲がりなりにも(国文学に進学しようと考えるくらいには)国語を愛するものとして,古今集も読まずに駄洒落をひねっていたことは今となっては実におこがましいというか恥ずかしいというか,いっそ雪のように消え入ってしまいたいとさえ思われる我が身であることよ。
ぱっと思い出せるもので好きな歌。
わが袖にまだき時雨のふりぬるは君が心に秋や来ぬらむ
(恋歌五・七六三・よみ人しらず)
日本人だなあと思いますね。
見る人もなき山里のさくら花ほかのちりなむのちぞさかまし
(春歌上・六八・伊勢)
実は一首,自分の心を鷲掴みにした衝撃的な(?)歌があったのだが,それは今はまだ伏せておくことにします。
さあやっとロミジュリが読める。