「よろしかったでしょうか」は使ってよろしかったでしょうか

既に言い尽くされた話題ではあるが,「〜でよろしかったでしょうか」という言い方はよくないと言われる。先日,とある社会人敬語マナーみたいなコラムを目にする機会があったのだが,そこでもやはり「いわゆるバイト敬語であり,気にする年配の方もいるので避けたほうがベター」と書いてあった。たしかに気持ちはわかるし濫用は避けたいものだが,やっぱり頭ごなしに使わないほうがいいと断言されるのは違和感がある。
お客様が明らかに未だ意思表示をしていない事柄について「〜でよろしかったでしょうか」と訊くのがいけないのである(押し付けているように感じられるから)。既にお客様が意思表示をしていた(可能性がある)にもかかわらず,現在確証が持てない事柄について確認を取る際には,「〜でよろしかったでしょうか」と訊くしかないではないか。
例をあげるなら,

店員「お次のお客様どうぞー」

私「えーと,店内で。」

店員「はーい」

私「ジューシーチキン赤とうがらしと……」

店員「ジューシーチキンとー」

私「あとアップルパイ,以上で。」

店員「アップルパイで。こちらお持ち帰りでしょうか?」

私「……」

これは大変腹が立つ。

(省略)

私「あとアップルパイ,以上で。」

店員「アップルパイで。こちらお持ち帰りでよろしかったでしょうか?」

私「いえ,店内です。」

これならまあしかたないなと思えるわけである。もちろん申し訳なさそうな顔をして訊いてくれたほうがよい。

まあ上記は端的な例であり,一般に問題視されるのは「客側が何も言っていないのに『よろしかったでしょうか』」と訊いてくることなのだと思いますが。(自分はそんなに首を傾げる表現ではないと思う。)