交響曲第3番《お前を嫁に》

以前からドヴォの最高傑作と公言して憚らない交響曲第3番。youtube等にもないので載せられないのが残念だが,その冒頭主題について,「♪お前を嫁に〜」だ,としつこく言う人がいる。この曲を真面目に愛好している自分としては,あまりいい気分はしていなかったのだが,この年末なぜか頭から離れなくなってしまい,あろうことか(さだまさしの)替え歌を全曲作ってしまった。それが自分でもわりと気に入ってしまったのでたたんで掲載する。
ちなみに交響曲第3番は,妻アンナとの結婚が決まった時期に書かれた,まさに勢いに乗った曲なので,「お前を嫁に交響曲」というのもあながち的外れではなかったりする。(1873年4〜7月作曲。同年11月挙式。)


「ドヴォヲタ宣言」

お前を嫁に*1もらう前に 言っておきたい事がある
かなりきびしい話もするが 俺の本音を聴いておけ
鳩より先に寝てはいけない
汽車より後に起きてもいけない
4楽章上手く作れ いつもきれいなメロ
スラヴ舞曲で かまわないから
忘れてくれるな びよらも弾けない男に
家庭を築ける はずなどないってことを
ドヴォにはドヴォにしか 書けない音楽もあるから
それ以外は口出しせず 黙って曲を書いてこい


絶対音楽標題音楽と どちらも同じだ大切にしろ
ヴァーグナーブラームス派 かしこくこなせ
たやすいはずだ国民主義派でいい
チャイコの陰口言うな聞くな
それからつまらぬ評論はするな
ドヴォはダサくはない ダサくはないと思う
ダサくないんじゃないかな
ま、 ちょっと覚悟はしておく
交響曲(シンフォニー)はメロディで 育てるもので
20年も苦労して
つくろうものではないはず
お前は新世界へ チェコを捨てて行くのだから
帰る場所はないと思え
これからアメリカがお前の家(路)


第9まで書いて年をとったら
ブラームスより先に死んではいけない
例えばわずか7年でもいい
ブラより早く逝ってはいけない
何もいらない故郷に帰り
交響詩ふたつ以上残せ
ドヴォのお陰で いい人生だったと
俺が言うから 必ず言うから
忘れてくれるな あらゆるジャンルに名曲を
残した作曲家は ロマン派でお前ひとり
忘れてくれるな あらゆるジャンルに名曲を
残した作曲家は 音楽史上ドヴォただ一人


「ドヴォのお陰で いい人生だったと〜」のくだりは,ドヴォへの愛を吐露するという内容を重視して原詞のニュアンスを残したが,前までの文脈に沿うならば,「ドヴォのお陰で いい交響詩だったと マーラーが言うから ヤナーチェクも言うから」にしても面白いと思う。

*1:「ドヴォは俺の嫁」的な意味で。