滝の下で

豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

三島作品が好きな理由のひとつに「比較的オチがはっきりしている」というのがあるかもしれない。ただ余韻を残してデミヌエンドしていくのではなくて,なんかしらの結末というか落としどころを作って終わってくれる感がある。あくまで自分の感覚として,であるが。いちばんわかりやすかったのは『午後の曳航』で,これは自分が今まで読んだ数少ない小説の中でも最高のお気に入り作品*1なので一読をおすすめしたい(短いし)。
『春の雪』は『豊饒の海』四部作の第一巻であるから先に続く伏線は色々あるんだろうと思うが,これ一巻で完結するつもりで読んでも,結末にはよく考えるとニヤリとできる要素があると思う。
あと,おばあちゃんカコイイ。

*1:「これは俺のための作品だ!」と思うほど。