ドヴォ追補

  • pre-martyrさんに,チャイ5のドヴォ8への影響に触れないのかと指摘された。そういえば,そんな説があったことを忘れていました。そのへんを気にして聴きなおしてみます。ホ短調という調性・循環主題の多用という点では,《新世界》にもかなり影響が表れていそうですね。(ブラ4ホ短調→チャイ5ホ短調→ドヴォ8ト長調(両曲との平行調)→ドヴォ9ホ短調(両曲と同じ)という影響関係も考えられる?)
    • 第1楽章……付点リズム,弦楽器→管楽器の応酬など
    • 第2楽章……冒頭。後半はトランペットが持っていく。チャイ5のバストロ「ババババーバー」:ドヴォ8のトランペット「パパパパッパッ」。
    • 第3楽章……ワルツ(風)
    • 第4楽章……チェロ中心に主題が奏されるところをはじめ,全体的に,どことなく対応してる感じがします。

聴きなおしてみたら思ってた以上に影響が強そうですね……。全体的に弦楽器はユニゾンオクターヴを以前より多用してそうですし。オリジナリティと思ったら今度はチャイコの影響が作用してたんですね。

  • またドヴォ4の第4楽章を聴いていたら,印象が若干変わりました。これはドヴォの終楽章のなかでも随一の完成度ではないでしょうか。後半,金管が第1主題を2倍に引き伸ばして奏すると同時に弦楽器が元のテンポで奏するところは涙ものですね。自分的に,ドヴォ4が偶数番号の中で頭一歩飛び抜けました。そして,この楽章にもベト7第4楽章の影響が顕著であることに気がつきました。冒頭8小節目以降とか,05:20あたりの木管の上昇音型とか。そう思ってみると第3楽章もどことなくベト7に似てなくもないところがありますし(特にトリオ),この曲のモチーフはベト7だったんですね。これに関しては触れられた文献を見たことがないぞ!今回一番の発見です。