おおきみかど

美貌の女帝 (文春文庫)

美貌の女帝 (文春文庫)

元正女帝(氷高皇女)の話。系図から彼女の宿命的な立場を読み取っているのは目から鱗である。系図好きには堪りません。いくらなんでも倉山田石川麻呂に拘泥しすぎやろ……とは思うが。
文章自体はかなり軽いから文学作品というよりは日本史を背景としたライトノベルとか歴史読物といった趣がある。歴史小説は多かれ少なかれそういうものかもしれない。最後が慌しすぎていつの間にか終わっちゃうのが惜しまれる。あたかも大河ドラマの最終回のように。