イリイチ気に障る

チャイコフスキー (作曲家・人と作品シリーズ)

チャイコフスキー (作曲家・人と作品シリーズ)

読了しておいてなんだが,これは悪書の部類に入ると思う。
とにかく作曲家の手紙を可能な限り引用してまとめようとするあまり,いびつな文章になっている。日本語の文章として成立してない部分も多いし,そうでなくとも『読ませる』文章とは言いがたい。下手な翻訳書より読みにくいのでは。
それは,限られた紙面になるたけ多くの情報を詰め込もうとした結果でもあるから,まだ察することができないでもない。ひどいのは,稚拙な誤植が多すぎることである。校正したのかと勘繰りたくなる。この状態で世に出すってのはちょっと良識を疑ってしまう。